てふてふ園

綴ります紡ぎます

八月二十五日

幼稚園の親子同窓会でした。といっても、来るのは親ばかりでしたね。

子供は最初は八人、あとから二人で十人だったのですが、途中参加の二人が来ると、歓声が沸くわけですよ。わー!変わったねー!とか大きくなったねー!とか。そうして歓声に包まれながら、場に溶け込んでいくわけです。とても羨ましい。僕も遅れて行けば良かった。

いざ顔を合わせてみると、誰が誰だか全く分からない。会ったことあるのに初対面。周りの人は名前だけ憶えてるー!とか、あれ好きだったよねー!とか盛り上がってるのですけど、僕はそれを聞いても何も思い出せない。というか、幼稚園の頃の事って、覚えてるものなの?楽しくなかったから覚えてなかったのか、もしかしたら友達が居(インクが滲んでいて読めない)

自己紹介みたいなのが始まり、誰も名前分からないと思ってたのですが、一人だけ聞き覚えがあって、なんというか、最近って程でもないけど、高校生くらいの時に聞いたような……って記憶を辿っていくと、「あんたねえ、○○ちゃんって子が好きだったのよ~」と母の声が、手にはその子の親から来た年賀状を持っていました。初恋の子でした。恥ずかしくなりました。というか、これ伝わってる可能性あるじゃない。う、うわあああああああああああああああああああああああああああ

ここから僕の終始もじもじ時間(タイム)が始まります。

中々場に溶け込めず、小中と学校が一緒だった奴としか話してませんでしたね。ちょっと惜しいことをしました。

その小中一緒だった友達と初恋の子が、幼稚園時代に付き合っていた、と知るのはまだ先のお話。

先生もいらっしゃっていたのだけど、僕の幼稚園時代の話をしてくれて、「○○君の事は凄い憶えてる。逆上がりが一番最初に出来たのよ~」とか教えてくれました。僕が逆上がりができるようになるのは、恐らく小学校中学年から高学年くらいでしたので、幼稚園の頃に出来るはずがないのです。

先生全く僕の事憶えていない。でもそこで「逆上がり超得意です」とか言っちゃう僕マジ紳士。これはモテてもいい。さあ、さあ。

会も進んで、その初恋の子と少しお話する機会があったのだけど、「将来どうしてるの?」なんて曖昧な質問が飛んできた。「将来何やりたい?」とか「何を目指してるの?」とかではなく、「どうしてるの?」ですからね。そんなもの僕が知りたいですよ。知って早いところ引導を渡して欲しいですよ、この僕に。

ここまでのらりくらりと、何を目指すでもなく、特にこれといった明確な目標も立てずに何となくで生きてきた僕ですから、この将来の夢みたいな質問が、大の苦手なのです。大学のパソコンの授業の課題で、将来の夢とそれに向けて必要な過程をパワーポイントに纏めるという、なんとまあ余りアカデミックでない課題にも、家を買うという目標と、それに必要な頭金、無理のないローンの組み立てを、適当に設定した年収で計画を立てるという、先生の意向とはちょっとずれた課題が完成しました。

というわけで、この質問にはちょっと間を置いて「えーと、大人になってるんじゃない、かなー?」と答えたところ、見事に滑って、その子も苦笑い。今でも忘れらない、あの微妙な表情。「私は大人になれるのかなー?」なんてフォローも入れられてしまった。優しさが辛い。辛いけど優しい。あ、好きかも……。

なんてことしてる間に同窓会終了。

いやあ、最後の最後まで誰が誰だか思い出せなかった。これは本当に友達が居(ここから先は破れていて読めない)